犬はバターを食べても大丈夫?4つのリスクをふまえて紹介

結論:「ごく少量なら与えることができる」

「愛犬が欲しそうに私の食事を見つめている…」、「ちょっとだけならバターをあげても大丈夫?」愛犬家なら一度はそう思う瞬間があるかもしれません。しかし、私たちにとって身近な食材でも、犬にとっては危険なケースが案外多いです。

結論、犬にごく少量のバターを与えることは可能ですが、デメリットが多いため控えた方が無難です。特に「安全に与えられる」だけの知識がない場合は、避けることをおすすめします。

この記事では、犬にバターを与えるリスクや注意点、そして安全な代用食材まで詳しく解説していきます。

バター製品は食べても大丈夫?具体的な例を紹介

バターを使った製品は様々ありますが、犬が食べても大丈夫かどうか、具体的な例を挙げて解説します。

マーガリンはNG!

マーガリンは、バターに比べて風味や香りが劣るものの、価格が安く、常温保存が可能というメリットがあります。しかし、犬にとっては注意が必要です。

マーガリンには、製品によって塩分や人工添加物が含まれている場合があり、これらは犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。マーガリンもバター同様に、与えるのを控えた方が良い食材です。

ピーナッツバターは?

無糖で塩分控えめなピーナッツバターを少量であれば与えることもできますが、アレルギーや消化不良のリスクを考えると、与えない方が無難です。与える量は少量にとどめましょう。

ピーナッツバターは高カロリーで脂肪分が多いため、与えすぎると肥満の原因になります。

バターロールは?

バターの香りが食欲をそそるバターロール。しかし、犬に与えるのは避けましょう。

犬は小麦粉や砂糖の消化が苦手なので、下痢や嘔吐などを引き起こす可能性があります。

バタークッキーは?

バターの風味豊かなバタークッキーも高カロリーで脂肪分も多いため、犬に与えることは避けるべきです。与えたい場合は、犬用に調整された「わんちゃん用クッキー」を選びましょう。

バターの主な成分と栄養素

バターは、牛乳から作られる乳脂肪製品であり、独特の風味とコクが特徴です。ここでは、バターの主な成分と栄養素を見ていきましょう。栄養素が良いからとはいえ、与えられる量はごく少量のみで控えた方が良い、というのは変わりませんのでご注意ください。

脂質

バターの主成分は脂質であり、全体の約80%を占めます。脂質は、犬にとってもエネルギー源として重要な役割を担っています。また、バターには、犬に必要な脂肪酸であるオレイン酸やリノール酸も含まれています。

タンパク質

バターにはわずかですがタンパク質も含まれています。しかし、その量は少なく、主要なタンパク質源とは言えません。

ビタミンA

バターにはビタミンAが含まれており、視覚の維持や免疫機能のサポートに役立ちます。

ビタミンE

バターには、細胞の酸化を防ぎ、老化防止に役立つビタミンEが含まれています。

バターを犬が食べた際の4つのリスク

犬 バター

少量であれば問題ないとされているバターですが、犬が食べると様々なリスクを伴います。

乳製品アレルギーの危険性

犬の中には、乳製品アレルギーを持つ個体がいます。これは、牛乳などに含まれるタンパク質に対して、犬の免疫システムが過剰に反応してしまうことが原因です。
もし、愛犬がバターを食べてしまって、皮膚のかゆみ、消化不良、嘔吐などの症状が現れた場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

乳製品アレルギーの危険性

犬は、人間と比べて乳糖を分解する酵素が少ないため、乳製品を摂取すると消化不良を起こしやすいため注意が必要です。
バターを食べた後、下痢や腹痛、ガスが溜まる、吐くなどの症状が見られた場合は、乳糖不耐症の可能性があります。

肥満の原因になる

バターは高カロリーで脂肪分が多いため、過剰な摂取は肥満を引き起こします。心臓病や糖尿病などの深刻な健康問題のリスクを高めるため注意が必要です。
愛犬の健康的な体重を維持するために、おやつは1日の摂取カロリーの10%以内を目安にしましょう。

内臓疾患

バターの過剰摂取は、膵炎や肝臓疾患などの内臓疾患を引き起こす可能性があります。膵炎は、膵臓に炎症が起こる病気で、嘔吐や腹痛、食欲不振などの症状が現れます。また、肝臓疾患は、肝臓の機能が低下する病気で、食欲不振、体重減少、黄疸などの症状が現れます。

犬に与えて良いバターの量

犬が食べて安全なバターの量は、明確に定まった基準はありません。

具体的な量が明記されている情報があったとしても、自分の愛犬に適しているとは限りません。個体差や健康状態によっては少量でも体調を崩す原因になるため、与えない方が安全です。

インターネット上には、「小型犬なら〇g、大型犬なら〇g」のように具体的な量が記載されている情報もありますが、根拠がないものが多く、鵜呑みにするのは危険です。

あわせて知りたい!身の回りの乳製品は犬にあげても大丈夫?

人は日常生活で口にする機会の多い乳製品。犬に与えても大丈夫かどうか、具体的な例を挙げて解説します。

牛乳はNG!

牛乳には乳糖が多く含まれており、多くの犬は乳糖不耐症のため、消化不良を引き起こします。下痢や嘔吐の原因となるため、与えないようにしましょう。

アイスクリームはNG!

アイスクリームは高糖分で脂肪分も多く、さらに乳糖も含まれているため、犬の健康に悪影響を及ぼします。

また、チョコレートやマカダミアナッツなど、犬にとって有害な成分が含まれている場合もあるため注意が必要です。

ヨーグルトは△。種類と量に注意!

ヨーグルトには乳酸菌が含まれており、犬の腸内環境を整える効果が期待できます。また、ヨーグルトは乳糖の含有量が少ないため、少量であれば問題ない場合もあります。

無糖で無添加のヨーグルトを選び、ごく少量を与えるようにしましょう。

しかし、乳糖不耐症の犬や無糖でないヨーグルトは消化不良の原因となるため、与える際は注意が必要です。「乳糖の含有量が少ないから与えて問題ない」と断言することはできません。

愛犬に与えるのは初めてという場合は、少量から試して、体調に変化がないか注意深く観察しましょう。

チーズは△。種類と量に注意!

チーズは牛乳よりも乳糖が少ないものの、塩分や脂肪分が高いため注意が必要です。与える場合は、犬用に調整された「わんちゃん用チーズ」を選びましょう。

生クリームはNG!

生クリームは乳糖を多く含み、脂肪分も高いため、犬にとって消化が難しい食品です。与えることは避けるべきです。

やぎミルクは△。種類と量に注意!

ヤギミルクは牛乳に比べて乳糖が少なく、犬が消化しやすいとされています。しかし、アレルギー反応を起こす場合もあるため、与える際は注意が必要です。安心して与えたい場合は、犬用に調整された「わんちゃん用ヤギミルク」を選びましょう。

まとめ

犬にバターを与えることは、少量であってもさまざまなリスクが伴います。乳製品アレルギーや乳糖不耐症、肥満や内臓疾患の原因となる可能性があるため、基本的には与えない方が無難です。

身の回りの乳製品についても同様に注意が必要です。愛犬の健康を第一に考え、安全な食事を心がけましょう。

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KNOTIY(ノッティー)編集部